日次記

日記。私しかわからない。あとお題。

20240626

 当日の予約と一週間後の予約の確認を控えていた。先に倉庫の鍵を開け、電気を落としてから取り掛かる。立っているだけで足が痛んだ。それも恒常的に痛くなりそうな不安な痛みであった。体のどこかが痛んでいると、他の部分に支障をきたす。痛みに耐えて、正しい立ち方を模索した。

 おおよそ全ての仕事を終え、久し振りにXをブラウザから見た。今年の1月まで、携帯にXを入れていた。毎日開いて、ほぼ毎日投稿していた。それが私の高尚な思想によるものだと思い込んでいたのだ。しかし読み返してみると大したことはつぶやいていないようだ。それもその筈で、一度の投稿は文字数が限られている。軒並み短い投稿ばかりで、タイムラインには、何かを論理的に批判する投稿が流れてきた。以前の私ならばこれに感心してリポストをしていた。耕作放棄地の再開発を勧める投稿の引用で、ライフラインや、放棄した理由を考慮せずに再開発を提案することの浅慮さを痛烈に批判していた。引用元も痛烈に国の施策を非難していた。

 投稿主は敵を作り上げている。攻撃する人を攻撃する。この痛快さは良く分かる。よくRTしていた。しかし今となっては暇なんだなとしか思わない。そこにユーモアも感心もない。人生の大半は面白くない。ネットサーフィンは面白いから駄目だ。Instagramも虚構に過ぎない。海を泳いでいる最中は、海の広さは分からない。バカボンドに書いてあった。

 ようやく大浴場を清掃する時間になった。コーヒーマシンの電源を入れた。健康診断は13時で、10時間前の3時までにコーヒーを飲みたい。多少体は動くようになったので、大浴場を清掃して、休憩に入った。相方はまだ清掃指示書を書いていた。

 日記を書いていると、相方に呼ばれた。指示書が印刷されないらしい。プリンターのタスクを見て、一度印刷を取り消してテストページを印刷した。その最中、ネットワークの接続も確かめた。専らこの接触の悪いLANケーブルのせいである。それにしても来たときよりも対処が早くなったなと自分の中で感心していた。技術者でもない私は、初めは何がどこに接続されているかを確かめていた。今ではおおよそ見当がつくので、プリンターの接続とルーターとプリンターの接続など、想像しうる原因を同時に確かめられるようになっていた。そんな立派なことを書いておいて、原因はLANの差込口の不具合であろうという事しかわからなかった。

 先日はほとんど寝ていたので、日記を書けるか不安であった。良くも悪くもガスが止まり、彼女と喧嘩したので書く内容が出来た。6時間歩く人の思考の変遷を体験できた。大まかに言えば、歩くので精一杯。暇や退屈というのは三流以下。歩けたが故障した私は3流である。3時間でも怪我をしないのは難しい。4時26分。

 先日に続きはがきを書いた。調子に乗って「若」という漢字を書いたが思うように書けなかった。その後続け字をまねてはがきを書き出したが、これもうまくいかなかった。徒然草の序を書いた。最も有名な、徒然なるままにという書き出しである。わざわざはがきのサイズに印刷したものを慎重に模写した。これはうまくいった。最後にホテルのハンコを押して仕舞った。

 フロントに立ちながら、マインスイーパーを始めた。相方は何だか気分が良いようで、私のマインスイーパーを見て話しかけてきた。私は、マラソンを試みた話をした。6時間走る為に、まずは6時間歩いてみたら足の痛くない所が無くなったということ、ダニング=クルーガー曲線になぞらえて、未挑戦のマラソンや、今までやってこなかった資格の勉強などに手を出している最中はまだまだ初心者で、小学中学とやってきたバスケや高校でやっていた将棋すら、当初の自信よりも低くなったに過ぎない。要するに下手の横好きなのだ。

 相方は、私のルービックキューブの話を持ち出した。あれは手品のようなもので、最初は驚くが、高校を卒業するころには三分の一が解けるようになっていたと話した。あろうことか私のルービックキューブを解くのを見てみたいと言った。この種の手品は自分を大きく見せることが出来るので心地が良い。しかし内なる虚栄心が疼いているのが、この上なく気持ち悪いので、出来るだけお披露目しないことにしていた。その自制心すらも、もったいぶって期待をあおる無様な醜態へと成り下がっていた。

 語るのも反吐が出るが、とにかく私は30秒台の域を出ない。SUB28秒が関の山である。F2Fを辛うじてできる、その程度。だから私はピラミンクスやスキューブを買って逃げた。パズルはパズルのまま憧れていたかったのだ。

 それとなく流し、今夜ルービックキューブを持ってこようと思った。徒然草についてはがきに書いていたら、それが意外にも現代に通じる面白さであることが分かった。フロントのネットにつながるパソコンで調べていた。引継ぎ中も調べていた。

 引継後、尿検査キットを持ってホテルのトイレで採取した後、とりあえず止まったガス代を何とかしなければならないと考えていた。それと携帯のショップから電話がかかってきており、早く取りに行こうと急ぎ、9時前に到着したが、開店は10時であった。

 電話をしても当然つながらない。ガス会社に電話しても、9時前だからつながらない。いっそのこと図書館で時間を潰すことに決めた。図書館に向かい、読みかけの新潮の「ミスター・チームリーダー」を読んだ。

 電話がかかって来た。切るのも嫌なので、一度切れるまで待ち、仕方なく退席して折り返した。すると、営業時間外ですとほざく始末であった。前の家のクリーニング代の請求に保証会社が噛んでいるらしい。保証会社からの電話であった。ついでにガス会社に電話をかけ、面倒くさい自動案内にお客様番号などを打ち込み、やっとのことで確認できたと思ったら、支払いをしてくださいの一言で終わった。頭にきて、そのまま銀行に行って振り込んだ。振り込んだ画像を送らないと開栓が遅くなると書いてあるので張り付けると、容量が大きいと言われ、加工して再度送り、やっとのことでガス会社とのしがらみから解放された。

 不動産屋からもようやく電話がかかって来た。面倒ごとは一度で済ませたかったので、クリーニング代33000円も振り込んで解決した。携帯ショップからも電話がかかって来た。今日の11時30分に予約を入れて、帰宅をして洗い物をしてご飯を炊いた。時間が余ったのでシャワーも浴びて洗濯機を回した。

 11時30分に行ったが、データ移行で12時15分までかかった。その間、ダイソーで雑貨を3000円分くらい買った。半分は娯楽であったはがきやカレーポッド、関連する雑貨である。

 洗濯物を干す時間が無くなってしまった。そのままホテルに12時30分に着き、健康診断を待っていた。一向に始まらない。いつもは12時30分頃に始まると聞いていたのでとんだ待ちぼうけをくらった。洗濯物が干せたのにと思っていたら、12時55時分ごろにようやく始まった。

 身長体重聴力視力心電図レントゲン問診血液検査の8項目、血液検査は最後で、私はいつも寝台で取ってもらっているので浮いてしまって恥ずかしい思いをした。そそくさと帰路につき、我慢していた分大量に食べようと思い、久し振りに次郎系のラーメン屋に行った。

 今年初めてか、二回目くらいであろうか。知らない店員がいた。たまたま満席で私の前には誰もいなかった。大ラーメンを買い、携帯を取り出すのすら憚られて、面接のときのように手をグーにして待った。夜勤明け、20時間も起きていると緩やかに気が狂う。当時の狂気をまだ鮮明に思い出せる。

 (ラーメンは人生のトッピングである。このように、学生の時に通っていたラーメンすら、大人になっては滅多に食べられない。時間やお金の問題ではない。このラーメンは、何か月も前から予約を取った最高級のディナーに匹敵するのだ。最高級のディナーを食べながら携帯を弄るか?そんなもったいないことは出来るはずがない。スマホで動画を観て、胡坐をかきながら食う、カップラーメンのように二郎を食べるのか?お前にとってその程度のものなのか?私にとっては人生で限られた回数しか食べられない絶対的な贅沢なのだ。値段の問題ではなく、私の一日のメインディッシュなのだ。パズドラをやりながらラーメンを食っているような輩には到底分からない。人生のどこかにラーメンを追加するとき、その前後の時間をゲームやネットサーフィンで有効活用したところで、精々お金に換算して数十円程度である。学生の頃、菓子パンを買うのを我慢して食った二郎、その記憶が、その当時の味が、今もなお旨い。俯いてスマホ弄りながら待つラーメンが、俺の食うラーメンに敵うはずがないだろう。)

 終始自分の心を鼓舞しながらラーメンを待った。コールが口から出てこないかもしれないという不安もあったが、聞かれてすぐにニンニクスクナメアブラとはっきり出た。前回は脂っこくて食べられなかったくせに、アブラをコールしたら何故かするすると食べることが出来た。飲むように平らげて、その後底のヤサイとスープに浮いたアブラを丁寧に掬い取って食べた。出されたものは全部食う。本来はスープも平らげたい。しかし私にはそれが不可能であった。それだけが悔やまれる。パンパンの腹にコップ一杯の水とウーロン茶を流し込んだ。飲み過ぎて不意に吐き出さないか心配であったが問題なかった。退店するとき、快い笑顔でごちそうさまでしたと言えた。大人になってから、恥をかくのが少し怖くなくなった。でかい声で頂きますと言ったり感謝を言うのは気持ちが良い。

 家に帰り、シャワーを浴びようとしたが、体力が残っておらず、体だけ流して出た。なかなか寝付けず、16時50分頃にようやく睡眠した。21時に起床するので、今日は4時間しか眠れないと言う事になる。ぐっすり寝るつもりが、彼女が起こしたので寝れなかった。無視して寝ようとしたが、生理痛か体調不良か、私を無理に起こそうとしてくるので構っていた。寝た気がしないで出勤する。新しいスマホ、元々自分のスマホだが、設定が初期化されており、21時30分になってもアシスタントが起動しなかった。

 ハガキを自慢したかったがそれどころではなさそうなので、何も言わずに家を出た。遅番は私が検診に来たときと当然同じメンバーである。昼も夜もホテルに来ているので疲労もあったが、ダブルワークを辞めてからやはり体がなまっているようだ。今日の寝起きも5分ぐらいは体調不良とか思われたが、次第に良くなっていった。生ぬるい生活をしていては、体も鈍る。また多忙な生活に戻さなければならない。

 今日は頗る面倒くさい仕事がある日なので、夕食の計算をすっ飛ばして指示書を書き始めた。24時より前に入力を始めていた。