じゅぬの手帳

日記。私しかわからない。あとお題。

20240114

 13日の日記に少々熱を入れすぎたような気がする。悪いことでもないが、体力を使い過ぎたか。一度温泉に浸かろうか迷う。

 30分ほど入ってきた。休憩所の角のコンセントを拝借してパソコンを充電した。14日はまた別の友人と遊んだ。こちらは家は近いし最も頻繁に会っている友人でもある。趣味趣向はかなり違うと思うが、中学生の時から仲は良かった。ただこれと言って特筆するほどの共通点はないが、私がマキシマムザホルモンを親の影響で殆どの曲を聴いていて、友人もまたマキシマムザホルモンの曲を好きで相当聴いているので、どの部分が流れていてもほぼわかるというだけで、テレビやBGMでごくたまに流れている時は二人顔を見合わせるというぐらいである。

 また、地元のノリがわかる数少ない友人でもある。突然奇声を上げたり、滅茶苦茶に罵倒したりするのが他校出身から恐れられていたようだ。私たちはそうやって他者からの攻撃をユーモアにする技術や、最も注目を浴びる瞬間を感じることが出来るようになった気がする。どこでもそういうのはあるという人もいたので、私たちが特別というわけではないかもしれない。ただその元同僚(埼玉県)は今でも連絡を取り合っている。

 その日は15時30分に友人の家に行った。その前まで彼女と出かけていたが、また喧嘩した為その話題を先に持ってこないように苦心した。彼女は母親と祖父母とドッグランに行くというので、途中で降ろした後そのまま彼女の車で迎えに行った。友人は待ち合わせの時間に来るのが遅いので何度も𠮟責したことがある。その日は時間と同じくらいに来た。数分遅れるのはもはや誤差の範囲といったところである。開口一番「珍しい車だね」と言った。「彼女を送ってきたからね」といい、さっきまでもつ鍋を食べていたことを話した流れで喧嘩の話を結局してしまった。結婚についての価値観の話である。その前のきっかけとして私が食事中に携帯をいじるのがい嫌だという話で喧嘩した。私が悪いと言えば悪いのだが、幼稚にも反論したので喧嘩になった。いつものことである。

 仕事の事などを話した直後の事である。私はふいに「あけましておめでとうございます」と早口でまくし立てると同時に友人は「お久しぶりです」と言った。考えるテンポが同じだと、こういうことが起こりうるものかと思い笑った。友人は「ツボに入った」と言い、げらげら笑っていたが、わざとらしいような気も少しした。彼の処世術には目を見張るものがある。初対面の人間と話すときの、感情の起伏を前面に押し出すような、大げさなしぐさのほんの一片を、笑い方から感じ取った。

 私たちは二人でキッチンカーをするという目標のためにキッチンカーを制作していて、こうしてあった時に制作するか、私が暇なときに制作することになっている。どちらもやる気がないので全然進まないが、内装はほとんど完成していて、あと少しの行程を考えるのが一番面倒なので、先延ばしにしていた。友人はめずらしく「今日はキッチンカーを進めようと思っていた。」というので、重い腰を持ち上げて私も同意した。ファンを塗装することになり、ダイソーで刷毛を買って、ついでに酒を飲む予定だったので、ふと「シャトレーゼにあるワイン知ってる?」と聞くと、その質問の意図を汲み取り「知らない」と言った。私はハンドルを急旋回してシャトレーゼに駐車し、ボトルに詰めてくれるワインのサービスを紹介した。「ピザも売ってるぜ」というとうそだというので、私は冗談半分に「あったらぶっとばすわ」と言って冷凍コーナーに行くと本当にあった。

 会計でカードを出すと「奢りすか?」と聞いてくるので一瞬逡巡した後「そうやで」と返した。2800円くらいだったので外飲みよりもだいぶ安い。ピザは300円前後、ワインは二本で1000円前後だった。

 キッチンカーを適当に済ませ、18時くらいから友人の家で飲み始めた。友人の部屋にはテレビがあった。私はテレビを見なくなってから長くて10年は経っていて、サンドウィッチマンが司会の番組がやっているのを見て「芸人ではサンドウィッチマンと陣内が好きだから、メインでいる番組やってて感動したわ」と言った。友人と談笑した後「申し訳ないんですけど、本当に申し訳ないんですけど、番組変えてもいいですか」といい番組表を表示すると、複数の芸人がかわるがわる小ネタをする番組に変えた。その番組を見ながら、酒が入っていた私は面白い芸人は「面白い!」面白くない芸人は「なんで芸人やってんだ」などと叫んだ。番組をサザエさんに変えると私は「マスオさん声優変わったんでしょ?」と聞いた。そうらしいと友人は応え、私の方ではマスオさんが喋るたびに耳に障り「誰だよ!」などと叫んでいた。ワイン2本を空け、時間は21時になる頃、いたたまれなくなって帰宅する旨を伝えると、友人は玄関先の道路まで見送ってくれた。泥酔一歩手前といった私は酩酊しながら暗い道を歩きながら、幾度となく眠りたい気持ちになった。酒を飲んで帰るとき、歩きではいけないなと思った。家にいる彼女にあらかじめ電話をかけておくことにした。口も回らないまま、何かを喋ったり、公園の、凍っている地面を見てとても眠りたくなった。去年に一度、公園の地面で眠ったことがある。厚着をしていたので丁度いい温度で眠ることが出来た。眠るとき、私はここで死にたいと思った。ここで眠るように死ぬことが出来たらどれだけ幸福かと思った。酒を飲んだ帰りは歩いて帰るべきではないなとしみじみ思った。あらかじめ、眠ってしまったときの為に電話をかけておいたのだ。その日は眠らずに家に着くことが出来た。

 喧嘩したことなど全く忘れてしまったかのように私を迎えてくれた。私も何事もなかったかのようにお道化て見せた。