じゅぬの手帳

日記。私しかわからない。あとお題。

20240120

 夜勤が終わるまで、日中は何をするか考えていた。掃除をしたい、彼女にも掃除をしてもらいたいと思っていたが、自分だってしたくないというのに、相手がしたくないことをするのは根気がいる。清掃用の服を買おうかなどと思い調べていたが、二人分となるとそこそこの値が張る。

 そうして、掃除をしたいと思う瞬間について考えた。友人の家に遊びに行ってから帰ってきたとき、旅行に行って帰ってきたとき、自分の家の汚さに辟易する。その瞬間を再現しよう。外出しよう。そう思い、私は一人で二度ほど行っている喜連川温泉に彼女を連れだすことにした。帰宅して、彼女を起こそうと思い数分努力した後、気力が尽きて、私は彼女に、9時半に行く、10時に行く、といいつつ12時まで寝た。結局13時ごろに出発して、マクドナルドをモバイルオーダーし、私はダブルチーズバーガーを頼み、ピクルスは嫌いなので彼女にあげた。彼女は、ポテトL、エグチ、ビックマック、にんにく醤油ペッパー味のナゲットを頼んだ。私も半分ほどつまんだ。

 ナビゲートを使わずに、どこまでいけるか試すことにした。その日は曇りだった為、いつも行っていた時の明るさと違うと、既視感を視界と照らし合わせるのに苦労した。いつも工事中だったので迂回していた道が開通していた為、その道以外はすべて前の通りに進んで目的地までついてしまった。14時くらいに着いた。

 温泉には一時間くらい入った。彼女は珍しくサウナに入りたがっていた。二階のソファ一つを占領して、横向きになって二時間ほど寝た。事前に彼女には3時間寝たいと言っていたが、意識が朦朧としているところで起こされて、帰りたいというので従って帰った。

 帰りは彼女が運転した。起伏の激しい道で速度を出すので、眠りながらも不安であったが、私の案じたところで毛ほども運命を変えられないような気がして、全てを委ねることにした。帰宅して、自宅でも睡眠をした。結局、何時間寝ただろう。9時から12時、15時から17時、19時から21時。7時間も眠っていたようだ。寝起きは非常に良かった。ここ最近で、一番良かったかもしれない。最近はやや過眠気味だったので、久しぶりに健康的な起床だった気がする。その日は上長との夜勤だったが、緊張が無くなるくらい調子が良かった。

 なんだか、充実しているようで、怠惰に過ごしているような一日だった。私の為すべきことは、清掃だったのではないか。読書や、研鑽を積むべきだったのではないか。

 一日は、短すぎる。こんなにも空しい。たった一日を、努力や整頓に努められなかっただけで、自分を少しずつ嫌いになっていって、無気力にさせるのかもしれない。どうせ一日でできることなど限られているのだから、温泉に行こうが睡眠しようが構わないじゃないか。夜勤と夜勤の合間にできたのだから、十分すぎるではないか。そう思いたいが、それではいつまで経ってもこの生活から抜け出せないのだ。自分の無力感を感じているのかもしれない。

 また、書くことも無くなってきた。思想と言葉を直結させると、無限に文章を作ることが出来るが、悉く駄文である。私の思考は駄文でできているようだ。変えるべきだろうか。高校生の頃に書いた文章が、拙いながらも情熱を秘めているように思えて、読み返す度に失ってしまった感性を憂いていたが、ふとこの間、最近書いている文章と見比べてみたら、そこまで大差ないように思うた。

 私は私を戒律で雁字搦めにしてしまいたいと思う時が多々ある。かつては、自己の一秒を一秒ずつ確かめて生きていきたいと思うほど大切にしてきた時間を、労働や怠慢や惰眠によって失っていく様を、最早過去の自分になど見せることはできるまい。

 今日を素晴らしい一日にしたい。大声で、素晴らしい一日だと、心から叫べるようになりたい。そうでありたいと願うが、私にとっての素晴らしい一日は、きっとキッチンカーを進めて、部屋を掃除して、読書をして、長風呂をして、5時間ほど寝て、起きてすぐご飯を急いで食べた後、読書を2時間ほどした後に、有隣堂の動画を見て、いや、その前に最後のパチンコ屋の出勤が月曜日なので菓子を用意しておいて、朝元気に出勤する。なんてスケジュールなどが素晴らしい一日のような気がするが、絶対にそうはならない自信がある。

 まず、キッチンカーを進める気は毛頭ない。家の掃除をする気も起きないし、読書をする時間を睡眠に当て、動画を見て、温泉に行こうか思案して、酒を飲みに繰り出して、適当に散財して明日の菓子の購入を忘れていたのを思い出し、憂鬱になりながら眠り、朝に無理やり起床して、愚痴を呟きながら出勤するだろう。いつもの自分である。堕落以外の何物でもない。俗物以下、比較のしようがないくらいに惨めな人間だ。私は、素晴らしい程に最低な人間だ。どちらの生活をしようと、希望が見えない。そんな程度の人間だ。