じゅぬの手帳

日記。私しかわからない。あとお題。

20240210

 二連休であったために、どこから書き出すか、何を書くか全く思い浮かばない。九日、この日は確か、帰宅してすぐに、掃除を始めていたはずだ。

 夜勤が初めての人との勤務だった。普段は遅番としてチェックインや、清掃した部屋の確認をするインスぺという作業をしている、社員である。社員の人は、入社をするとまず清掃をするハウスキーパーの研修をして、その後に早番で電話の対応や清掃するハウスキーパーの人の内線に対応する業務を約一か月した後、遅番の業務の研修に入る。社員の業務は主に遅番だ。だがこの会社の社員は一通りの業務を経験した後に、どこの業務も出来るようになっておくという決まりがあるらしい。夕食や朝食の研修もするようだが、この間人が足りなくなったときは、応援の業務に入る前に何日か夕食の研修をしていたから、すぐに手伝えるような研修をしているわけではなさそうである。

 そういうわけで、遅番として第一線でチェックインの手伝いが出来るようになった後、夜勤の研修に二か月ほど入る。研修とはいっても、夜勤の研修専属になるわけではなく、何日間か夜勤に入っては遅番に戻り、また夜勤の研修に入るといった具合で、生活リズムが一定にならないために、私やナイト社員のように生活を逆転させるよりは、心身ともに疲弊する。それでいて、夜勤専属社員よりも給料は低いのだから気の毒である。

 その社員は私より5~8才ほど年上だが、物腰は低く、どこかそそっかしい感じで、何かと心配になるような質の人だった。入ってから半年に満たない程の期間、仕事は見たことがないが、遅番の人たちは言葉がきついので心配であった。持ち前の明るさで約半年間保ってきたようだ。

 この日の私はといえば、金曜日ということで葬送のフリーレンが見たくて仕方が無かった。休憩は2時間あるが、日記に1時間もかければ余韻に浸る暇が無くなる。相方の人が研修をしている間も神経を尖らせて、この日の仕事のフローを考え、どのタイミングで仕事に区切りをつけて、先に日記を書いてしまうかで頭がいっぱいであった。傍から見たら真面目に勤務していたように見えたであろう。

 大浴場の清掃と研修に、二人で行ったタイミングを見計らって日記を書き始めた。パソコンで書いている時は右下に書いている時の文字数が表示されるのだが、スマホで入力する場合は表示されないので、なんとなくで書くか、文字数をカウントするサイトにコピーペーストして確かめるかのどちらかで書くのだが、先日は掃除をしていた以外の話が思いつかなかったために、なかなか筆が進まず、やっとのことで二千数文字を入力した。相方が清掃を終えるまでには1300文字程度しか書けず、30分ほどパソコンで続きを書いた。

 葬送のフリーレンを一話見て、薬屋のひとりごとを2話見た。休憩を上がってからは特にやることもなく暇であった。手紙を書いたり手帳を書いたりした。フロントで、少しだけ新しい人と駄弁ったり、いつものように早番が誰だとか、家がどこだとかという話をしていたら、相方のナイト社員の人が、このホテルの風習で、バレンタインに女性フロント従業員がチョコをくれるのでお返しをしなければならないという話になった。もらえるという話ではなく返さなければいけないというところが皮肉っぽくて、それを、これを読む人間に文字にして伝えようと思ったが、このホテルのフロント従業員の八割はこれを通常の会話だ、ユーモアだと捉えるだろう。私もそちら側だが、残りに二割いて、この二割に、初めて一緒に勤務する研修中のこの人が含まれるかどうか、私は判断しかねていたので少したじろいだ。

 結局そこに含まれるかどうかはわからないまま、話は続く。ホテルのマネージャーが毎年5千円出して、他の男性従業員も数千円出して、じゃんけんで負けた人がホワイトデーのお返しを買ってくるのだという。去年は、従業員(約60人)全員に気を使う夜勤専属従業員が一人一人に買ってきて、全員五千円近く出していたのだという。今年はその従業員が辞めて、私とナイト社員と社員とマネージャーの4人になるので、マネージャー以外の3人がじゃんけんで一人、買ってくる人を決めるという。3人で決めるうえで、何故か積極的に話すことが出来た自分がいた。私はどうやら二人よりも、複数人で話す方が得意らしい。前々から思っていたのだが、最近はなかなかそういう機会に恵まれなかった為に忘れていた。

 帰宅して彼女を起こす。フリーレンの新しい話を見たというと、不満げであったが、先週は先に観ていたじゃないかと言った。この日、一日中掃除をした。いつもは彼女が掃除をしたがらないので、喧嘩になったりすぐに辞めてしまったりする。もう一緒に暮らせないかと思うくらいで、今年引っ越すときに実家に帰ってほしいと思っていたと、掃除を決行したタイミングで伝えたら泣き出してしまった。別に言わなくても良いことだったと思うが、嘘をつけない性格なので、言わないべきだとは思っていない。