じゅぬの手帳

日記。私しかわからない。あとお題。

20240206

 たった今私の中で起こった感動を、鮮明なうちに記しておこうと思った。先日話した「何者」についてである。今日も日記を書き終えた後の時間で続きを読んだ。読了した。タイトル回収は主人公であると題名から察しがついていたが、独特の手法、狭い舞台のなかでミステリーの様でいて、たった一本の伏線回収で多くの衝撃を生み出した。直木賞の名に恥じない満足感のある小説であった。一抹の不安に、私の小説の読んだ回数の少なさによって、今後この小説が大したことがなかったということが判明してしまわないかというのがあるが、それも今この瞬間には些細な問題であった。

 映像化など出来るのだろうか。これも先日の日記をなぞってしまうが、私の嗜好はアクションの部分であるから、このような地味な話は退屈で見ていられないように思う。誰かの自己満足で作るのであればそれで良い。この作品の予告は見たことがないので聞き伝ではあるが、よくぞつまらなく作ってくれた。この小説の見せ場など、文章をたのしめないなら最後の手前くらいしかないのだ。私は今の所、この小説が面白いと思えていて、もしかしたら読了した達成感と混同しているかもしれない。ところで今、尾辻克彦さんの「父が消えた」という短編小説を読んでいる。芥川賞受賞作品である。最初の数ページで、やってくれたな、と思った。「長文語感のいいエッセイ」といった感じである。続きを読むのが楽しみだ。今は4時17分、現状報告である。以下は後日になる。

 昨日のうちに書いておいてよかった。日中はまた、書くようなことはしていない。昨日と全く同じである。清々しいほどだ。

 読んでいる本の続きを読もうかと思ったのだが、何故か家にいると全くやる気が湧いてこない。たった2時間の休憩が、私にとっては大切なもので、12時間の休憩は、何もしていないのだ。たまに、日中に図書館や温泉などに行くと、やる気が湧いてくる。家にいては駄目なのかもしれない。

 横になるからいけないのかもしれない。起きたら布団を畳む。これは、素晴らしい人間になるための第一歩なのではないか。素晴らしい人間とは何だ。私にとっては、今は、日記に書けるだけの事を出来るならそれで良い。日記に、今日は素晴らしい1日だったと、胸を張って書けるときが、一番幸福である。それと同じくらい、ダラダラしているのも幸福である。

 書くに足ることはつい先刻起きた。ホテルの水道が止まってしまったのだ。たまたま、相方が以前に同様の事件が発生した時に、対応をしていた為に初動を理想通りに出来た。といっても私は客室から次々とかかってくる電話を同じようにあしらっていただけだ。一人ひとりと会話をしているというよりは、同じ言葉を一人ひとりに伝えているだけだったのでさほど疲れなかった。

 通常の業務と並行して、客の電話の対応をするのはいささか面倒だった。私としてはさっさと日記を仕上げて休憩中に本の続きを読みたいのだ。出勤して30分でこの有り様だったが、1時間半程で、水道の問題は快方に向かい、客室への対応も終わっていた。相方は、施設課に電話しながら、外のタンクの水位を確認したり、異常解除のボタンを押したりしていた。今日は相方が清掃指示書を作る側なので不憫に思った。私の業務はゆっくりやっても25時には終わる。指示書は私の場合だとそこそこ急いで26時か。作ろうと思えば早い時間に作れるが、未着の部屋や新規の予約、清掃するスタッフの欠勤の電話が鳴る可能性もあるので、2時少し前に終わらせるようにしている。

 朝方に残業して手順を教わろうと思ったが、相方も対応に追われて興奮していたので、私に教えようと外に呼んだ。私がいないとお客様の対応ができなくなるので、そういう意味を込めて

「朝方に教わろうと思ってました」

と言ったがうまく伝わらず、そのまま5分ほど、対応の方法について教わった。あまりにも簡単だったので、前回の時のように、東京から施設課に来てもらえばいい等と考えていたのを改めた。直接的に解決する方法は、配電盤のスイッチを1つ、押してリセットするだけだ。タンクは、水があるかどうかの確認、配電盤の異常が点灯しているかどうかの確認、ただそれだけである。

 ホテルに戻り、お客様はフロントにいなかったので安心した。

 明日は、休日である。予定はない。このパターンは大抵何もしないで一日を潰す。私は私の理想的な一日というのがまだ分かっていない。私にとっての娯楽とはそこかしこに溢れていて、私の家に天井の節目はないが、そういった下らないことで、まだ1日を潰せるのだ。それが私の特技でもあり、永遠に堕落し続けるただ1つの要因のようでもある。

 帰ったら、とりあえず布団を畳もうと思う。布団を畳んで、掃除機をかける。洗濯物を畳んでコンテナに仕舞ったら、布団を洗濯機にでもかけてしまおうか。思い出したが布団の後ろがカビているのだった。布団はどうやって捨てるのだろう。焚き火にでもしようか。