じゅぬの手帳

日記。私しかわからない。あとお題。

20240207

 大浴場の清掃中にふと思ったことだが、先日珍しく、朝方相方と話さなかったのが気にかかって、いつもの私なら所構わず自分語りをしているのに、話題が出なかったのを訝しく思った。喋れなかった言葉は日記に出せばいい。そう思った時に、今でこそ、自分の中の思考と外に出す言葉が混同してしまっているが、小中高と無口な方であった。口から出る言葉を飲み込んでしまえば、私の痴態を晒さないで済むのだ。口に出そうになった自分語りを飲み込もう。また、会話が出来るように、もう一度。

 朝方にモンスターを飲んだからだろう、1日を通して積極的に行動した。塗装していた換気扇に部品を組み付け、車からピクニック用具を下ろし、変色した床の上にカーペットをもう1枚貼った。

 最も多く時間を使った工程は、タンクに清掃用の蓋を作ることであった。ポリタンクに100×200で切り抜いて、切断した側面をサンダーで削り、ボルトとナットとプラ板を買ってきて、切り抜いた穴の前部と切ったプラ板にボルトで固定して蓋にした。しかし側面の処理が荒かったため結局デザインカッターでちまちまと削り取っていたら17時になっていた。昼の仕事を辞めて以来の働きぶりであった。

終始本を読みたくて堪らなかったし、家の中をすっちゃかめっちゃかにしたのでそれを片付けるかどうかで悩んだが、力尽きて寝た。彼女は昼の仕事が終わって夕方に1度帰宅し、以前働いていた飲食店の手伝いをしに出掛けた。帰りに友人とご飯を食べて、日を過ぎた頃に帰ってきた。

 正直日記も途中で書きたかったが、キッチンカーに集中したかったために中々手を付けられなかった。いつも通り後で書けるだろうと思って後悔している。あまりに熱中していたので、これだけの事をしたのだからさぞ大量に書けるだろうとたかを括っていた。

 この日は夜勤が休みだったのでこれだけの働きが出来たが、普段はこうはいかない。どころか、帰宅してすぐ寝てしまい、お線香に火をつけて遊びながらカップラーメンを食っていたら出勤の時間になっていたりするのだから本当に自堕落である。その度に自己嫌悪に陥っている。特に、休みの日は、何をしようかと考えても思いつかず、やらなければいけない事の重圧と、無視して遊びに行きたい欲求が常にせめぎ合っていて、理性の入る余地がない程である。

 何を書こうか。あまり言葉が思い浮かばない。さっきまで熱心にバイトをしていたからだろうか。彼女に、私がバイトの事を仕事というのを咎められたことがある。

「バイトの事を仕事っていうタイプなんだ」

と言われた。言うなという意味である。

 私も、確かにアルバイトをしている他者が仕事と言っていたら違和感を覚える。自分でつい言ってしまうのは、以前は社員だったからだろう。昼の仕事、という言葉も、本当はアルバイトなのだから言わない方が良いように思う。よくバイト先のことを職場と言ってしまう。これも本当は良くないのだろうか。以前読んだ「何者」にも

「アルバイトの事を仕事って言うな」

みたいなセリフがあって心が痛くなった。

 キッチンカーをする為に、アルバイトでホテルのバイトを160時間しているのだから、他の社員の人と比べても労働時間に遜色がないと言い訳したくなる。だが他人から見ればアルバイトはアルバイトであって、私も少し冷静に考えれば痛いとわかるのだが、一体何が腑に落ちないと言うのだろう。

 あと六百文字書けば二千文字だ。やはり今日はいつもより腕が振るわない。休みの日に本の一冊ぐらいは読んでおくべきだった。言葉を書いていると自然と思い浮かんでくる。確か、この日もはがきを書いたが、映画について書いていたはずだ。私は映画がそこまで好きではないので、基本自宅で見るし、殆どが好きなアニメのスピンオフで、彼女が見たいといえばハリー・ポッターやディズニーを見ることになる程度である。

 有隣堂という書店のYouTubeで、作家の一日というを紹介していた。うろ覚えだが、一度に9作もの小説を同時進行で連載していた。立派な書斎で、24時間動画を回して作家の一日を撮影しているのだが、一日何も食べず、17時間以上執筆し、昼過ぎの3時間眠り、風呂に入り、映画を見て、小説を読んで一日が過ぎた。あまりのあっけなさに、はじめはこういう人もいるのかと別世界を見るような感覚であったが、思い返してみれば私も昼と夜のバイトを掛け持ちしている時は、家にいるのが16:30~21:30の5時間で、シャワーを浴び、洗濯をして、3時間寝た後に、ちゃんと出勤の支度をして出勤していた。唯一の救いだったのは、ホテルで2時間の休憩があったので、そこでも寝ることが出来たことだった。それにしても作家は本当に17時間も書かなければいけないのか。私もなれるものならなりたいが、そんな恐ろしい世界に足を踏み入れる勇気は今のところない。この動画を見て、なぜか私も映画を見ようと思った。