じゅぬの手帳

日記。私しかわからない。あとお題。

20240212

 朝の早くに起床した。6時半頃である。早々に彼女とシャワーを浴び、朝食を食べに行こうと誘った。彼女はすぐに化粧をすると言って、その間は私も服を思案したり、日記を書く心づもりをしたりしていたが、出発したのが10時頃であったので、その時間感覚に驚いた。特に、付き合いたての頃は衝撃であった。私が一人で生活していた時は、家を出ようと思ったら五分くらいで出れるのが常であった。彼女といる時は、少なくとも化粧に1時間はかかるし、髪や服にも時間がかかれば、1時間半程度はかかる。それが、三年付き合っていても慣れないのだった。

 益子のカフェで、モーニングをやっているところは一軒しかなかった。東京でカフェ巡りをしなかった反動で、どうしてもカフェに行きたくなり彼女を誘った。そのカフェはネルドリップで、7時から12時の間しか営業しないという変わった店である上に名前がミッドナイトブレークファストであった。真夜中の朝食という名前の由来は分からなかったが、提供に10分ほどかかって出てきた理由は、その場で私だけが分かっていた。

 ネルドリップは通常より時間がかかるが、昔ながらの喫茶店に置いてあって、管理も面倒である。カフェに置いているのは稀である。流行でないし、豆の特色を前面に出すならペーパードリップの方が適している。

 久々に飲んだそれは、ネルドリップの滑らかな舌触りが感じられた。わたしもネルを持っていたが、飽きて捨ててしまった過去があるので、人生でも数度しか飲んだことがない。モーニングセットのパンの方もうまかった。一人五百円であった。ネルドリップが飲めてこの値段というのは安い。彼女はクッキーを二種類買って帰った。

 どうしてもステーキが食べたくなり、途中でスーパーに寄った。そこには安い牛肉が置いてなかったので、仕方なく、牛肉100%のハンバーグと、豚肉のソテー用と、鶏もも肉を買って家で焼いて食べた。パスタを三百グラムほど茹でた。量が多すぎて、残そうか迷う程だったが、無理して食べた為に眠くなった。朝から、モンスターを飲んでいたがあまり効いていないようであった。三日連続で飲んでいたからだろう。

 書いていない日記のことが頭をもたげていた。一日分を二千文字で大体一時間かかるので、三日分で3時間かかる。一気に書きたいので、職場の休憩二時間では足りないのだ。眠い体を起こして、パソコンが使えそうなカフェを探した。喫茶店やカフェというのは、自己主張が強いことも多く、気軽にパソコンを出せない店も多い。彼女はその間、編み物をしているので、編み物が気軽にできるところでなくてはならない。今の所星乃珈琲店が最も適している。コメダ珈琲店も適しているだろうが、一度働いていた経験があるので、あまり行きたくなかった。新しいところを開拓したいという気も合ったので、できれば星乃珈琲店以外が良かったのだが、益子のカフェは総じてパソコンを使えるような雰囲気ではないし、駅の近くは狭いので編み物は少し気が引ける。結局、行ったことのない星乃珈琲店に行くことになった。星乃珈琲店まで、マップで45分と出たので身構えていたが、あまりにもあっけなく着いた。

 祝日ということもあって、駐車場で止められる場所は軽自動車専用のところしかなかった。入店すると並びの表には8組程待っていたので書かずに退店した。車に戻り、彼女と、どこに行こうかという話になった。3分ほど調べ、近隣に、めぼしいカフェがないのを確認した。ダメ元でもう一度見に行くと、一組待ちになっていた。

 案内されたのは、入口から2番目に近い、隣とつながったソファの席だった。老婦人が2人談笑していた。合皮張りのソファは、鋲の意匠が良いだけにビニルの光沢が照明の暖かい光をギラギラと反射していた。

 彼女がお手洗いに行ったので、私は一人、ソファでいつも以上にソワソワとするのを止めなかった。訝しげな目で見られていたかもしれない。その羞恥心以上に、ここ数日の記憶を鮮明に思い出すことに注力していた。

 朝にコーヒーを飲んだのでフルーツティーのアイスを頼んだ。ワインのデキャンタや花瓶のような大きさで提供されるそれは、ロンググラスにたっぷり2杯分注げるような量であった。彼女は確か、ブレンドティーのミルクを頼んでいたはずだ。私は既にパソコンを卓上に置いて、長丁場になる覚悟をしていた。

 前々日と前日の2日分を書いて、その日の午前中の用事も書いた。店を出ると言ってからも、なかなか切りの良いところで区切ることができず、20分ほど彼女を待たせた。彼女が支払うという約束であったので、勘定は任せた。

 帰路に手芸屋があるので、一応寄るか聞いた。寄るというので、Uターンして手芸屋に入る。私にもわかるくらいに品揃えは少なかった。彼女はせっかく寄ってくれたのにごめんと言ったが、品揃えが少ないのは店側の問題であると思う。

 帰宅しても中々寝付けなかった。モンスターを連日飲んでいたからだろうか。