指示書を作成するのを急いだために、仕事量自体はかなりあったが、何とか1時30分頃に終わらせることが出来た。丁度相方たちも終わったらしく、この仕事が終わった後の何をしてもよい時間も早番には恐らくないのであろう。暇な数十分会話をして、そういえば手帳を書いていなかったので手帳を書いた。日記を書こうか迷ったが、先日書いたので書かなくても良いかと思い書かなかった。
休憩に入り、簿記の勉強を始めた。初めは中々簿記の勉強に集中できなかったが、音楽を流したり、お経を流したりして、徐々に集中できるようになっていく。いつもこの感覚の途中で勉強の時間が終わってしまうのでもったいない。まとまった時間に、この余力があればいいのだが、大抵はくだらない娯楽に興じている。
休憩の二時間を勉強に費やし、その後も少し簿記を進めた。三人で会話しながら、簿記の模試をしていると、相方が私の勉強の話を始めた。簿記の話もすると、この新人の方は簿記二級を取得しているという。もう十年以上前だが、商社に勤めていたと聞き、そちらの方が気になった。勉強の手を止めて話に聞き入った。
フロントに立つ時間まで、模試を区切りのいいところで進めた。フロントに立ってからは、その新人の話になった。元々東京の大手の会社で働いていたらしい。夫が栃木の工場で働いていたから栃木に越してきたという。簿記の知識があった場合のホテルでの仕事の感覚や、視点を気になっていたが、もう体現している人がこんなに身近にいたとは思わなかった。
三人で談笑して、その新人の夜勤初出勤は終わった。朝食を私一人で食べた。
スケジュールを決めていて、朝一でホームセンターに行くと決めていた。そこが9時から開店していなければ、出発を後らせるつもりであったが幸いにも開店しており、早速ホームセンターで、セメントスプレーを探す。
セメントスプレーにも色や種類があり、私が欲しいのはそこそこに暗い色のものであった。店内をしばらく探しても見つからず、先に、もう一つの目当てのスチールラックの部品をかごに入れ、アスファルトの洗浄剤もかごに入れた。
店員にセメントスプレーのことを聞くと、何のことかという対応をされ、インカムで話してから場所を教えてくれた。そこには私も持っている色の白っぽいものが置いていた。
次に、アスファルトのマーカーを消せる黒い塗料を探した。アスファルトに近い色をしていたので希望はあったが、商品がなかった。結局、取り合えず清掃だけをして、どれくらい落ちるか試そうと思った。あまりにも買い物が長引いてしまい、11時過ぎに帰宅して、掃除を始めた。
しばらく清掃をしても、落ちる気配がなく、どうせ金をとられるのならとセメントを購入しようと思った。当初はアスファルトを購入して色を合わせるつもりであったが、セメントに黒い色を入れて近づける方に転換した。刷毛で塗ろうと思い流し込みタイプのものを購入した。
結果から言えばあまりいい出来栄えではなかった。しかし、隠せるかと言えば隠せる。続けてインスタントセメントを買ったのは、失敗でもあり成功でもあった。初のセメント使用がアパートの駐車場になるとは思いもしなかった。適当に水を入れて、適当に混ぜて刷毛で塗る。初めは黄色い車を全塗装した時に垂れた塗料の上に塗った。エスカレートしてオイル漏れしているアスファルト全体に塗り始めた。当然セメントが足りなくなり、インスタントセメントを購入した。今度は黒い塗料が足りなくなり、もはやカモフラージュと言えないくらいに黄色いセメントを塗りたくった。
二台分の駐車場にそれを塗ったので、もしこれで直せと言われたらいくらかかるだろうと怖れながらも、夜勤明けの疲労でそれどころではなかった。16時前までかかり、汗をかいていたが風呂にも入らずに眠った。
18時ごろに彼女に起こされた。今日は家の掃除をするから新居で寝てくれと言われていたからだ。風呂に入るタイミングをうかがって、帰宅した時点で新居の方に行ってしまおうと備えているつもりであった。寝ぼけながら、何とか新居に移動して、そこで仮眠をした。
30分前ぐらいに旧居に戻って、また仮眠をする。寝すぎてしまい21時15分ごろからシャワーを浴びて、大急ぎて支度をして出発した。途中のセブンイレブンで、モンスターを買い、何とかいつも通りの時間に出勤できた。
今日は私が新人の指導の担当だが、昨日に教えられることは殆ど教わっているだろうと言うことで、一週間後の予約の確認や、契約企業の宿泊者数などを入力していた。
それすらも終わり、私の仕事が無くなってしまおうと言うところで、細かい仕事を新人に教えた。12時まで暇になってしまうことの多いビルコンは、この一見暇に思える時間に、後々の仕事が楽になる小細工をいくつもこなしておくのが、夜勤を早く終わらせるコツだと思う。久しぶりにロッカーを掃除した。熱心に掃除をし過ぎてしまい、12時になる時にも掃除していた。
