じゅぬの手帳

日記。私しかわからない。あとお題。

20240302

 二連休というのを思い出して、日記を書くのが恐ろしくなった。いつも休憩中に書いているので、まとめて書く事がある。まとめて書くとき、何故か二日前の方が鮮明に思い出されて、三日分や四日分の分量になることがある。そもそも、バイトが一日を圧迫してくれているおかげで、数時間の間の思考や物事を一時間程度で書くことが出来ている。それが一日ずっと遊んでいたとしたら、分量が倍増するのはなんらおかしいことではない。日記を書く時間が増えるのが恐ろしい。

 清掃指示書をゆっくり作っていると、今日がいつもと違うことが分かってきた。大浴場を清掃する専門の人がいないので、客室を清掃するハウスキーパーの方に多く振らなければいけない。今まで使っていた、私の人数振り分け自動計算のエクセルは、どうやら対応していないらしい。先日社員に仕事を教えるために、久し振りに人数を手で計算したのが功を奏して、簡単に求めることが出来た。

 最初のうちに何度も間違えてしまい、時間を浪費した。多少浪費するのはかえっていいことなのだが、理想の時間内に仕事を終わらせたかったので私を焦らせた。いつもであれば、休憩が近づくにつれて、日記を書くぞという欲求が高まってくるのだが、今日は葬送のフリーレンを見るのだったと思い出した。こちらを見る欲求も日記に劣らず高い。

 休憩に入る前に彼女に葉書を書いた。休憩が終わったら書く暇がないので、簡単な文章にとどめた。

 少々記憶の整理が出来ないので、先に直前読んだ「魚は銃を持てない」について書く。エディプスちゃんさんの掌編が読みたいがために、三年くらい前東京に出向いて買ったものだ。読めずに三年たって、この架空の文藝誌の紙が丈夫だったために、まだ目の前に残っている。いま見たら五年前だった。

 Twitterで見るエディプスちゃんの文章が好きだった。こんな書き方をしていては勘違いされるので言えば、私の知るエディプスちゃんさんは、本物の4割から5割程度であったというのが分かった。これは面白かった。たしかに面白いのだが、足りないのは疑いようがなかった。ぎこちない始まりが多かった。最後の最後の文で、拍子木を打つように終わらせていることがもったいなかった。「人魚すくい」が非常に良かった。続きを書いて欲しい。いやその情事について書いて欲しいとは毛頭思っておらず、終わってからを書いて欲しい。期待していないと言えばうそになる。

 フリーレンの話に戻るが、最後の瞬間が面白く、予告でそれが失敗したことが明らかになり少し落胆した。内容自体は全く今までと劣るものではない。

 視聴してから日記を書いた。日記を書いてから視聴した方が、感情が日記に集中できるので良いのだが、なんだか文章を書けないような気がしていたので優先した。実際にフリーレンのアニメの感想を考えていて、その後「に魚は銃を持てない」も読んで、日記を書く余力が残っていなかった。いや、厳密にいえば時間があれば書けていた。朝食さんが出勤をしてくるので、急いで書こうとしたがうまくいかなかったのだ。日記は急ぐこともできる。多少は平常時と変わらない文章を書くことが出来るが、内容を浅く書いてしまうのがなんとなくわかる。その判断基準は、深いとか浅いとかではなく、単純に文量なのかもしれない。現に、急いでも平常時の文章をかける時があると思っているが、道理で言えば多少は劣っているからだ。熟考をしていないのだろう。

 少しずつ、熟考について考え始めた。それは私が就職をするにあたって一度捨てたものだった。今思えば、私が社会に適応する為と捨てたそれが、こうして美化されることも承知であった筈だ。それならば、やはり、どうして捨ててしまったのかと後悔する。何もかも承知の上で、私は適応するために捨てたのだな。そうして、私は精神的な未熟さについて理解しつつあった。IQとEQという言葉でしか表現できないが、知能指数と心の知能指数は比例しない。今でも私自身が幼稚であることは分かるが、こうして文章を書いていくことで、下がっていた知能指数を取り戻していくと、精神年齢の方の重要性に気付いてきた。

 人にものを教える事について、私が初めて仕事を教えたのは先々日、それが特に文章に出来そうにもない、マニュアル化の出来ない仕事であるがゆえに、大変に難儀した。または私の経験の不足によるものだ。

 マネージャーに、人にものを伝えるのが大変だという話をした。たまにこのマネージャーは、話の二手先くらいの事をぽつりと話し始める。

「人に教えるか、考えたこともないけど。・・・」

そういって語尾を濁した。私は深く考えず

「やっぱり、マネージャーも、これから地区支配人とか、総支配人になるんですか?」

とにやにやしながら聞くと

「いやいや、ならないよ。このまま、最後は西那須野になると思うんだよね」

「へえー、西那須野ですか」

興味がないのを隠せない性格なので聞き流してしまった。

「〇〇さんも、これから社員になって、支配人になればいいんじゃない・・・」

「いやいや、なれませんよ」

「まあ面接をして、ちゃんと手続きをして・・・」

語尾はどんどんと小さくなってゆく。社員になれるけど、なれない。私の意欲に委ねられているのだ。

 惰性で引継ぎをして、先日観たマスカレード・ホテルの話をしたからか、上司よりも早く帰ってはいけない気がした。早番さんは、そんなの気にしなくても良いと言っていたが、丁度マネージャーが帰ってきたので退勤をした。

 朝食を食べに行く。ハヤシソースだったので、先に米を盛りに行く。厨房からマネージャーの声がして、動転していつも以上に盛ってしまった。米で土手を作って、中にハヤシソース、上からスクランブルエッグを大量にかけた。この間、すき家のキングを食べに行ったので、サイズ感はあれの米の量程度であった。

 朝食から戻ると、マネージャーは帰るところであった。私の腹が出ているのを口に出して言った。中々、それを今時言える人はいないので、私としては面白く、そうなんです、とはっきりと言った。10キロぐらい太ったことを、仰々しくお道化て見せた。その場には朝食の古株とマネージャー、早番の方が一人の四人いた。

 帰宅をすると、部屋の明かりがついていた。朝なので、彼女が寝落ちをしたのだろうと思った。布団で携帯を見ていたので、電気つけっぱで寝ちゃだめだといったら、7時に起きたと言った。何時に寝たのと言ったらわからないという。

 睡眠をするか迷っていた。横になった時、これはもう起き上がれないなと思った。もし彼女が、これから出かけようと言ったらどうしようと思っていたが、私と同じく16時ごろに起きたので、やはり夜に眠らなかったのではないかと疑った。

 起床したのは17時頃、約7時間眠った。眠る前、彼女に起こされそうになったため、あまりいい睡眠ではなかった。

 友人とキッチンカーを進めるかどうかやりとりして、やらないということになった。日記を書きたかったというのと、日記に書くためにどこに行くかを考えていた。日記を書く為に出掛ける節がある。

 宇都宮に行ってからどこに行くかでもめた。彼女は当初、赤からに行きたいというので漠然と向かっていたが、閉店しているのではと思い彼女が調べたところ閉店しており、近いのが小山市で四十五分かかる。私は当初から、あまり赤からに行きたくないと言っていたので、私に判断を委ねられ、面倒になって小山市に行こうと言ったら、私のせいで日記を書けなかったと言われるのが嫌だと言われた。私もどこでもいいと言った。

 ラーメンのようなものが食べたいと言ったら、ラーメンでいいよとぶっきらぼうに言うので、結局悩んだ末に東武の8階のラーメン屋に行くことになった。私はラーメンが好きだが、嫌いなラーメンの方が多い。幸楽苑のようなラーメンはあまり好きではない。そこのラーメン屋は、そういった系統のラーメンであり、気乗りはしなかったが東武の八階を制覇するという淡い目的があり、一度はと入店したのだった。

 結論から言えば美味しかった。ハマるとか、もう一度来たいというラーメン屋ではないが、味噌ラーメンがメインで、ゴマや背油に近いこってりとしたものが浮いており、香りは申し分ない。一口目で美味しかったので、少々心配したが完食した。ついでに頼んだ山わさびご飯が辛すぎた。口に含んでから0.5秒後にジャブをくらうような感覚である。ラーメンの麺はスーパーに売っている中華麺という感じで、彼女が頼んだ辛味噌もつラーメンも同じ麺であった。バターをトッピングしていた。もつがマルチョウであったのが特徴で、チャーシューよりも美味いかもしれない。チャーシューは、以前どこかのラーメン屋で、チャーシューの種類を選べたときの、こだわりあるチャーシューと言った感じであった。炭火の匂いがついていて、沈めると匂いがスープに溶け込んだ。

 二人合わせて2800円くらいであった。ラーメンが一人1400円になってしまったのかとショックを受けた。八階を一周して、次回行く店の候補を考えた。

 東武は駐車場と店内の階がずれているので必ず迷う。この日も対策をしていたが迷った。ラーメンを食べた後、日記を書きたいということで喫茶店を探す。宇都宮駅西口の駐車場に車を止める。止める場所が障碍者用の所しかなく、止められなかったので管理人に行ったら悪態をつかれ、そこでいいんですよと言っていた。書いていて少し思い出したが、隣の彼女が憤っている中で、私は日記を書く事ばかり考えていて気に留めなかった。

 一度だけ言ったことのあるブラジルコーヒーというところに行った。コンセントがある席が見当たらなかったので少し席を探した。五年以上前に来た時に、名前を付けるならセバスチャンというくらいの紳士がいたのだが、その日の店員は不愛想な人であった。それも、当時は気にならずに日記を書く事に専念した。私はミニコーヒーゼリーとアイスコーヒー、彼女はなにかのミルクティーとクッキーを頼んだ。

 アイスコーヒーのグラスは分厚いワイングラスのようであった。ゴブレットというよりワイングラスであったと思う。それはカウンターにワイングラスの様に逆さに吊り下げられていたからかもしれない。

 適当に用事を済ませ退店する。夜が更けてきて、24時を過ぎて営業している店を探した。